2017年6月12日月曜日

小さな図書室

都内某所にある小さな図書室。隠れ家的なものではなく、誰でも入れて、誰でも本を手にとれる。場所を書けないのは、閲覧のみで貸し出しはしておらず、しかも管理者の目の届かない場所にあるため、黙って本を持ち出してもわからないから。

本棚に並ぶのは、場末の古本屋の店先で一冊50円とかで売られているような十年二十年ぐらい前のベストセラー、ミステリー、自己啓発、タレントの告白本、そんな本が多数を占める。そして、ある意味で目につくそれらに混ざり、なんとも地味な本が潜んでいる。無名の詩人の詩集。地方郷土研究家の地味な研究。舞台照明の歴史とかいう専門性に特化しすぎたもの。誰の興味を惹かなくても何の不思議でもない本で構成されている図書室。

この図書室の地味な背表紙を引っ張りだして楽しんでいる。読んでもいいし、読まなくてもいい。そんな緩い誘いが心地良い。でも今回はその中でもかなり派手めな数冊を紹介。



澁澤龍彦・著「高岳親王航海記」。1987年10月25日初版。これは地味部門にカウントしてよいのか?と思うほど有名な一冊。
私が最初に開いたようなコンディション(絶対にそう)。
ケースはなかったけど(なぜ)、あったら高値がつくはず。
ここらかも、誰も見ちゃいねえ感あふれる図書室。
三十年間も放置かあ、、滅茶苦茶おもしろい本なのにいいい!

 西川満・著「わたしの造った限定本」。1986年9月9日初版。
カバーは劣化しているけれど本はやはりほとんど読まれた気配がない。
カバーは筒状の和紙。
実はまだ読んでいない。
内容はタイトル通り著者の手がけた限定本にまつわる話っぽい。
この本も初版を含め、20部、30部という単位で刷っている。

「銀星」第四集。1973年3月1日。軍歌を中心とした歌集。おそらくは旧日本軍関係者の集まりで配られたものだと思う。
ご覧の通り、後からカラー印刷したものを貼り付けている。
イラストもそれぞれの国の文化が色濃く出ていて興味深い。
この本はかなりコンディションが悪い。
多くの人が読んだというより、
読んだ人の扱いが酷かったように思える。

村田吾一・著「知床のすがた」。1972年9月10日初版。全国的に知らない人はほとんどいないだろう知床は郷土研究としてはかなり派手と言えよう。
北海道を離れるまで夏休みは知床半島の羅臼に居たのでやたら懐かしい。
そう、この頃って野生動物をかなり無造作に獲っていた。
私の昼寝の定位置は、アザラシの毛皮の上。すごく気持ちがいいの。
ちなみに熊の毛皮は固くて痛いだけ。


今回、撮影の許可をいただきました。管理しましょうよ、と訴えているけど、今のところその予定はないらしい。また何か見つけたら載せようと思います。